しばいぬ紀行

しばいぬも歩けば棒にあたって気づいたよしなしごと

ミニゲーム作りこみすぎ。「ゼロヨンチャンプRR-Z」

パソコンのアドベンチャーゲームにありがちな、自信過剰で超プラス思考の主人公。オニのよーに喧嘩に強いのもシリーズ恒例の”お約束”となっているようですね。

 

ゼロヨンチャンプRR-Z

ゼロヨンチャンプRR-Z

 

 

様々なチューンナップを施した車で400mの直線をいかに速く走り抜けるか、という実在するモータースポーツ、「ゼロヨン」を題材にしたアドベンチャーレース(?)ほんのりRPG風味(??)ゲーム。とことんまで正確にこのゲームのジャンルを表現しようとすると、これに更に麻雀とパチンコを加えないといけないので、このへんで勘弁してやって下さい。 

 


ゲーム10本クリアするまで寝ない男 ~その11~ 【ゼロヨンチャンプRR-Z】 - YouTube


直線400mですから、ハンドリングだのブレーキだのの操作は当然必要ありません。アクセルは常に全開、あとは愛車のエンジンの回転数と呼吸を合わせてシフトさばき。たったこれだけのレースがものすごく熱い。

 

もちろん、ウェット(水気の多い路面)やアイス(凍った路面)など、のいろいろな環境に合わせてそれなりのテクニックが要求されるのですが、勝敗の90%はレース前に決まっています。そう、愛車の性能を限界まで引き出すチューンナップ。低回転数時に威力を発揮するスモールチャージャー、一見すると値段も高く、後半に強力な伸びを見せるハイパーチャージャーの方が有利に見えます。たしかに普通の路面ではその効果は遥かに後者の方が高いのですが、これがアイスだと話は別。レースのほとんどを地面にグリップさせる事に集中するアイスのレースでは、グリップした瞬間に一気に伸びるスモールチャージャーの方が断然有利になります。

 

上記はほんの一例。レースの環境や愛車の性格、そして今作より加わった気温によるエンジンコンディションの調整など、 アクセルを踏み抜く前の静かな戦いにも深いこだわりを見せる作品です。


またそれとは別に、ちょっと怖いぐらい作りこまれたミニゲームもこのシリーズの大きな特徴。100%純粋に「お金をためる」ためだけに行うミニゲームなのですが、PRG、麻雀、パチンコ、と実に多彩で尚且つ異常な作りこみがなされています。

 

特にRPG。てゆかホントはこっちを出したかったのではないかと思われる程の完成度で、前作の出来も凄まじいものでしたが、今作はとうとうフィールド画面に大魔王、転職までシステムに組み込まれ「…なんかもう、チャンプとかどーでもいいや」と感じ始めてしまうぐらい遊べます。というより、いまテレビつけた人(?)は誰もこれがレースゲームだとは思わないでしょう。

 

プレイステーションで新作がリリースされていますが、このシリーズがPCエンジンCD-ROM時代にも経験した失敗を見事に踏んでおり、お薦めは出来ません。PCエンジンHuカードの第一作目、SFCでリリースのRR(第3作目ダブルアール)、もしくは、本作の3本は安心してお薦めできる秀作です。


あ、そうそう、サウンドノベルもついてます。いや、これがまた凄い完成度で…