しばいぬ紀行

しばいぬも歩けば棒にあたって気づいたよしなしごと

エッセンスが凝縮。ひとりナムコミュージアム。「カイの冒険」

筆者の知る限り、最強のコストパフォーマンスを誇るコンシューマーソフトです。ファミコン黄金時代の値崩れ御三家といえば、大御所「燃えプロ」、そもそも、前に進めない驚愕難易度のヘリシューティング「バンゲリング・ベイ」、そしてこの「カイの冒険」。地域によって多少の差はあったと思われますが、大抵、この3本ではなかったでしょうか。 筆者が最後にみた底値は180円。 松屋のサラダ並です。

カイの冒険

カイの冒険

 

 

バビロニア・キャッスル・サーガ(ドルアーガシリーズ)の第0章となる、今作品。1章は、おなじみ「ドルアーガの塔」。 2章は、「イシターの復活」、最終章はSFCで発売されたアドベンチャーゲーム「ブルークリスタルロッド」です。

「最強のコストパフォーマンス」と銘したからには、価格(コスト)もさることながらその内容(パフォーマンス)も問われる訳ですが、個人的には「いま遊んでも充分楽しめる」レベルの、希少なファミコンソフトだと思います。基本的にはジャンプアクションなのですが、主人公はそこらの巫女さんということで攻撃行動は一切取れません。その天性の身軽さと、女神イシターより授かった「どこまでも浮かび上がれるティアラ」(名前失念)のみを頼りに、魑魅魍魎あおすけのうごめく塔を突き進んで行きます。

さて、ジャンプアクションと一口に申しましてもいくつかパターンがありまして、ジャンプボタンを押したら、着地するまで見守るだけの「魔界村」型、ボタンを押したあとも、十字キーである程度の干渉ができる「マリオ」型と、おおまかにはこの2種類に分類されます。そして今作品は「マリオ+拡張型」。

 


NES カイの冒険 / The Quest Of Ki in 20:13 - YouTube

 

主な行動がジャンプと移動のみ、なだけにその操作は異常に作りこまれています。女神イシターより授かった「どこまで(略)」の恩恵により、カイはジャンプボタンを押し続けている間、どこまでも浮かび上がることが可能です。…とはいっても、実際は狭い塔の中ですから、天井にぶつかると、頭を抱えてゆっくり垂直落下していきます。この落下の間は、着地して、しゃがみこんで、じ〜ん とこらえるまで、操作不能です。この、しゃがみこんでいる間は、実際のキャラの当たり判定も小さくなっており、これを利用して、敢えて頭を天井にぶつけてしゃがみこむことで、敵を避けながら進むステージもあります。

…いま思ったのですがこのティアラさ。塔の外堀を昇るってナシですか、ナムコさん

そして、慣性。これが、この作品のキモなのですがカイの移動には、かなり大げさに慣性が付きます。自分で踏ん張る気ナシです。最初のうちはかなり戸惑うと思いますが、慣れてくればその慣性を利用してテクニカルに立ち回る事が可能となります。

一応、ドルアーガの塔 なので、本編は60Fで終わるのですが、ゲーム自体はスペシャルステージと銘打って、100Fまで続きます。この61F〜100Fがカプコンの名作アクションシリーズ、ロックマンもかくやと言うほどの超難易度で、60Fまではワープを駆使すれば10分掛からずに辿り着けるのですがそれ以降は1ステージに10分のレベル。本編ではまじめにアドバイスをくれたイシターも、どんどん壊れていきます。


また、敵キャラにもこれまでのナムコ作品に登場した名キャラや、デザイナーの遠藤氏の顔を冠したホイミスライム(?)など、 やりたい放題です。

 

ゲームセンターCXでも、番組史上初の「シリーズまたぎ」となった作品です。

有野課長も挑戦されているので、ぜひご覧になってみてください。

ゲームセンターCX DVD-BOX5

ゲームセンターCX DVD-BOX5