しばいぬ紀行

しばいぬも歩けば棒にあたって気づいたよしなしごと

30分で体験できる兵士達のドラマ。「重装機兵ヴァルケン」

とにかく、詳細な設定やストーリーは説明書にまかせて、ドラマの一番もりあがる部分だけをゲームにした、という印象を受けます。

重装機兵ヴァルケン

重装機兵ヴァルケン

 

 超良質なショートストーリーを観終えた時のような心地よい余韻をプレイ後に残してくれる、そんな作品。一時期これを一日一回クリアするのが日課になっていました。


作品自体はメガドライブでリリースされ大きな反響を呼んだ「重装機兵レイノス」の続編にあたります。ロボットものですが、別に機体が必殺技を繰り出すわけでも、パイロットがそろいもそろって美少年というわけでもありません。

 


[HD・SFC]重装機兵ヴァルケン[紹介単発] - YouTube


シナリオ、そして重厚なシステム(旨み)だけで勝負。飛び散る薬きょう、バーニアで吹き飛ぶメカニック、等ユーザーの心を絶妙にくすぐる細かな演出も、この作品が名作と呼ばれる所以です。横スクロールアクションゲームながら、折々のタイミングで挿入される、オペレータとパイロットの会話など、技術的にはいくらでも同様のコンセプトが実現できそうなのに、この作品のレベルを達成できているものにはついぞ出会っていません。

プラットフォームがスーパーファミコンということもあって、現在では中々入手困難なソフトではありますが、秋葉原などでは間違いなく販売されている事と思われます。なお、他のプラットフォームで続編、、のようなものや、亜種がたくさんでていますが、地雷なので避けて通ることをおすすめします。このスーパーファミコン版の足元にも及びません。ハードウェアは進化しているはずなのに、、なぜ、、。

「ムービー」という概念がまだ一般的ではなかった時代、ごまかしの効かない、いろんな形での「本当の面白さ」が問われたスーパーファミコン全盛時代にこういった隠れた名作が多いのもなんとなく頷ける話ですね。